- 地車文献 feat. 尾崎宮本町やぐら新調 -
- 2007/4/1 -






阪南市宮本地区 60年ぶりに"やぐら"新調
           - 10月10,11日に秋祭り -

阪南市尾崎町宮本地区の「やぐら」が60年ぶりに新調された。9月19日、波太神社での入魂式で曳き初めをすませたが、地区のまつり好きの人間や保存会の関係者らは来月10,11日の秋まつりの出番を、じりじりしながら待っている。

新調されたやぐらは、ひのきやぐらと呼ばれる高さ3.8m、幅2mの総ひのきづくりの豪華けんらんたるもので、先代やぐらの衣装を受け継いだ彫物や本幕の時代絵巻は圧巻だ。

屋根正面には悪魔払いを意味する眼光鋭い獅子がみ、やぐら正面の金糸製の金綱がさん然と輝きを放ち、豪華と美観が競い合っている。

屋根周りの彫物は、神話を題材にした「天の岩戸」などの絵物語り。やぐらを飾る彫物は、源平合戦の中から「宇治川の先陣争い」「富士川の合戦」模様などが、匠たちの技術によって精巧に考証されている。

先代やぐらは昭和11年ごろから半世紀以上も活躍、地区の人たちに親しまれてきたが、かなり痛んだため昨年から自治会・保存会・有志らが一丸となって、新しいやぐらづくりに努力を重ねてきた。

"オータ!オータ!"と曳き手の掛け声が町中をかけめぐる波太神社の秋まつりはもうすぐ。10日の宮入りに一番くじに選ばれた宮本地区では、やぐらの新調と宮入り一番の縁起の良さに、まつり気分は例年より盛り上がっている。

伊勢音頭の囃子に合わせて区内を練り歩く「ところ曳き」には他市町村からも大勢の見物客が訪れ、その見事さに感嘆の声が上がろう。

(ニュース泉南 平成5年9月25日土曜日号より)