- 地車研究 feat. 濱中講 -
- 2007/5/6 -






濱中講 (はまなかこう・泉南市樽井地区)
 ・新調:明治19年
 ・大工:不明
 ・彫師:西岡弥三郎氏
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:西陣
 ・宮入:芽淳(ちぬ)神社

◎ 樽井のやぐらについて
樽井は樽井地区でやぐらをもっていず、「講」組織で成り立った四講があります。また樽井の櫓には、雄,雌があると言われており、獅子講が雄、宮元講が雌の上の櫓。戎福中講が雄、濱中講が雌で下の櫓とそれぞれ一対になると言われている。

◎ 濱中講の由来
濱中講は文化6年(1809年)に新開沼田西側開拓のために成立した講である。

◎ やぐらの歴史
文政2年(1819年)の矢倉諸記録によれば、以前先代やぐらがあっと記されている。その先代やぐらは明治期新調時に焼却処分された。

◎ 現在のやぐら
明治19年に彫師:西岡弥三郎氏によって新調、彫物の主題は三国志。平成8年に植山工務店にて大修復を実施。やぐらの寸法は長さ11.30m、幅2.90m、高さ4.64m。提灯は正面に「濱」と「中」、屋根周りには「濱中」。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 前:鷲の猿つかみ、 後ろ:鷲
・車板 − 前:飛龍、 後ろ:牡丹に唐獅子
・虹梁 − 前:唐獅子に手鞠、 右:阿吽の唐獅子、
      左:阿吽の唐獅子、 後ろ:飛龍
・枡合 − 唐子二十四孝
・欄間 − 前:玄徳、南璋で奇童問える、
      右:玄徳陛下、孔明が午睡の覚るを待つ、
      左:黄承彦臥竜岡に梁父の吟をなす、
      後ろ:雲数百騎を率いて玄徳を尋ぬ
・脇障子 − 右:関平、 左:張苞
・竹の節 − 飛龍
・御簾 − 日輪に阿龍と吽龍
・幕板 − 右:関羽、旧情をせまられ、曹操を放す、
      左:張飛、玄徳に幅て曹操が陣で横行、
      後ろ:玄徳、天に祈念して巌を斫る
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 鳳凰
・枡合 − 牡丹に唐獅子
・欄間 − 右:唐子と犬、 左:獅子舞
・虹梁 − 阿吽の青龍
・勾欄 − 波濤に千鳥
【腰廻り】
・縁葛 − 波濤
【本幕】
・本幕 − 青海波に千鳥

◎ 曳行パターン
パレード:ところ曳き、泉南市パレード
宵宮:ところ曳き、三井住友銀行前まっせー
本宮:ところ曳き、芽淳神社へ宮入、三井住友銀行前まっせー

◎ 獅子講関連サイト
・樽井の祭り → http://taruinomaturi.hp.infoseek.co.jp/
・濱中講のほーむぺーじ → http://www.geocities.jp/hamanakakou/

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 平成16年8月29日
植山工務店にて本台場,後台場が新調され、入魂式が行われました。