- 地車紹介 feat. 戎福中講 -
- 2007/11/17 -






戎福中講 (えびすふくなかこう・泉南市樽井地区)
 ・新調:文化時代(1804年)・文政時代(1818年)から元治元年(1861年)の間に新調
 ・大工:不明
 ・彫師:不明
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:不明
 ・宮入:芽淳(ちぬ)神社

◎ 樽井のやぐらについて
樽井は樽井地区でやぐらをもっていず、「講」組織で成り立った四講があります。また樽井の櫓には、雄,雌があると言われており、獅子講が雄、宮元講が雌の上の櫓。戎福中講が雄、濱中講が雌で下の櫓とそれぞれ一対になると言われている。

◎ 戎福中講の由来
現在のやぐら部屋がある場所に並んでいた講戎と若戎が元治元年(1864年)以前に合併して成立した講。

◎ 現在のやぐら
文化時代(1804年)・文政時代(1818年)から元治元年(1861年)の間に新調、昭和60年12月から61年9月に岸和田の大下工務店にて原寸のまま彫物以外の8割を大修復。平成7年に締め直し、平成18年9月3日にはコマを新調。平成19年には味園建設にて大修復を実施、同年9月29日に搬入,入魂式を実施しました。樽井の戎さんと呼ばれた山之井神社(現芽淳神社内)の名残から随所に七福神・恵比寿様の彫物があり、小屋根には飾目がある。やぐらの寸法は長さ9.98m、幅3.00m、高さ4.90m。提灯は正面に「戎」、屋根周りには「戎福中」。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 雲海
・拝懸魚 − 正面:鷲、 後ろ:鳳凰
・隣懸魚 − 正面:山鵲
・飛檐垂木 − 梅鉢紋
・地垂木 − 唐獅子
・桁廻り − 雲
・車板 − 正面:阿吽の唐獅子、 後ろ:阿吽の唐獅子
・枡組 − 龍頭,唐獅子,獏,牡丹(三手先七段)
・枡合 − 妻:飛龍、 平:虎
・木鼻 − 正面:獏鼻、 平:獅子鼻、 後ろ:獅子鼻
・虹梁 − 唐草文様
・欄間 − 正面:恵比寿天、 右:弁財天,毘沙門天、
        左:布袋和尚,福禄寿(七福神)
・柱巻 − 左:昇龍、 右:降龍
・小脇板 − 左:項伯、 右:項荘(漢楚軍談)
・御簾 − 日輪に阿吽雲龍
・幕板 − 左:蒼海公の勇姿、 右:月夜に駆ける韓信、
        後ろ:張良劍を賣りて韓信を説く(漢楚軍談)
・脇障子 − 左:馬に乗る黄石公、 右:龍に乗る張良(漢楚軍談)
・脇障子物見 − 左:阿形の唐獅子、 右:吽形の唐獅子
・竹の節 − 燭台に若戎,樊かい,韓信,劉邦の文字,燭台に講戎,
        項羽,項荘,項伯の文字
・兜桁 − "戎"の文字。
【腰廻り】
・犬勾欄 − 正面:波濤、 平:牡丹
・擬宝珠 − 蓮
・勾欄合 − 波濤
・縁葛 − 正面:宝珠を掴む青龍、 左:波に吽龍、 右:波に阿龍
・本幕 − 白綱に戎の金文字
【小屋根廻り】
・飾目 − 牡丹に唐獅子
・箱棟 − 雲海
・懸魚 − 波濤に恵比寿天
・車板 − 劉邦 芒蕩山に白蛇を斬る(漢楚軍談)
・飛檐垂木 − 梅鉢紋
・地垂木 − 唐獅子
・枡組 − 龍頭,唐獅子,獏(二手先三段)
・枡合 − 正面:鳳凰、 平:谷越え唐獅子
・欄間 − 左:大黒天、 右:寿老人
・虹梁 − 左:楓に鳳凰、 右:牡丹に鳳凰
・太鼓廻り − 牡丹に鳳凰
・幕板 − 左:樊かい 鐵門を破る、
       右:項羽 重さ五千斤の鼎を持ち上げる(漢楚軍談)
・擬宝珠 − 蓮

◎ 曳行パターン
パレード:ところ曳き、泉南市パレード
宵宮:ところ曳き、三井住友銀行前まっせー
本宮:ところ曳き、芽淳神社へ宮入、三井住友銀行前まっせー

◎ 戎福中講の略年表
・文化時代(1804年)・文政時代(1818年)から元治元年(1861年)の間に新調
・昭和61年9月 − 大下工務店にて彫物以外の8割を大修復。
・平成7年 − 締め直し。
・平成18年9月3日 − コマ新調に伴う入魂式を実施。
・平成19年2月11日 − 大修復前の抜魂式を実施。
・平成19年9月29日 − 味園建設にて大修復、同日搬入,入魂式を実施。

◎ 戎福中講関連サイト
・戎福中講寫眞館 → http://ebisufukunakakou.hp.infoseek.co.jp/
・樽井の祭り → http://taruinomaturi.hp.infoseek.co.jp/

   …

 平成18年9月3日
コマ新調に伴い、入魂式が行われました。(写真は同年の祭礼時)

 平成19年2月11日
大修復前に抜魂式が行われました。

 平成19年9月29日
大修復に伴い、入魂式が行われました。