- 地車紹介 feat. 相生町 -
- 2008/2/23 -






相生町 (あいおいちょう・尾崎地区)
 ・新調:平成8年(同年9月16日入魂式)
 ・大工:竹安建設
 ・彫師:木下彫刻工芸
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:村山寅刺繍株式会社(村山則雄氏)
 ・宮入:波太神社

◎ 地名「尾崎」の由来
地名は尾里の先であることに由来する。また下出より移住した11軒に始まると言う言い伝えもある。旧尾崎村は海に面し、遠浅の海岸は早くから海産物の集積場として栄え、江戸時代初期には現在の町の基礎がつくられていた。その後昭和14年6月に村は町制を施行して尾崎町となり、その後昭和31年9月には西鳥取,下荘の2村を合併、町名も南海町と改まった。その際に南海町尾崎となるべきでしたが、旧尾崎町民の思いは尾崎町こそが本来の町だと言う事であえて町の字を地名に残した。尾崎地区の相生町,朝日町,大西町,尾崎宮本町も下に「町」が付くのはこのゆえんかと思われる。またやぐらは昔は北出,南出,相生(2〜3台),本町,天王町,西出,海老野とあったそうです。

◎ 先代のやぐら
先代のやぐらは曳き手不足のため昭和30年代を最期に曳行を休止、その後朝日町と統合されました。しかしながらやぐら自体は保存され、昭和61年の下出やぐら復活や昭和62年の福島やぐら復活の雰囲気の中、相生町にもやぐら復活との気運が生まれ、平成7年の秋祭り最終日深夜先代やぐらを飾付けし最後の御披露目。その後昇魂式を経て先代やぐらは解体され、彫り物は町民各位に配られました。

◎ 現在のやぐら
現在のやぐらは平成8年に大工:竹安建設、彫師:木下彫刻工芸によって新調、35年ぶりに相生町のやぐらが復活しました。この相生町は平成8年9月16日に波太神社にて入魂式を挙行しました。また相生町のやぐらの彫り物は高級材である尾州檜を利用し、源平合戦,神話物,向かい獅子を題材とし、本幕は地元のかわい呉服店の紹介で京都の京繍師:村山則雄氏責任者の下、村山寅刺繍株式会社によって製作され、弁慶と牛若丸をデザインされています。また提灯は阪南市で唯一駒提灯を採用し、図柄は白地に赤の文字で「相生」の文字を崩したデザインです。なお太鼓は先代のやぐらで使用していたものをそのまま利用しています。尾崎地区では"あいおい"を"あいよい"とも呼ぶそうです。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 正面:鳳凰、 背面:雲に鶴
・車板 − 正面:宝珠を掴む青龍、 背面:雲海
・枡合 − 正面:天の岩戸、 右:素盞嗚尊 八岐大蛇退治、 左:神武天皇東征(日本神話)
・欄間 − 正面:義経八艘飛び、 右:那須与一扇の的、
        左:敦盛を呼び戻す熊谷次郎直実(源平盛衰記)
・虹梁 − 雲に鶴
・柱巻 − 右:降龍、 左:昇龍
・小脇板 − 右:牛若 弁慶五条大橋の出会い、 左:牛若 鞍馬山修業の場(源平盛衰記)
・幕板 − 右:粟津合戦 巴御前の勇戦、 左:粟津合戦 木曾義仲(源平盛衰記)
・脇障子 − 右:清盛 落日を呼び戻す、 左:清盛 怪異を見る(源平盛衰記)
・兜桁 − 相生の文字
・犬勾欄 − 正面:牡丹に唐獅子、 右:波に兎、 左:波に兎
・擬宝珠勾欄 − 梅,桜,向日葵,菖蒲,楓(花暦)
・板勾欄 − 正面:頼朝本陣、 右:仁田四郎 猪退治、 左:勢子の活躍(富士の巻狩)
・縁葛 − 波に鯉
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 松に鷹
・車板 − 牡丹に唐獅子
・枡合 − 正面:日本武尊 野火の難、 右:雄略天皇 猪退治、
       左:神功皇后 応神天皇平産す(日本神話)
・欄間 − 右:常磐御前 伏見の里、 左:静の舞(源平盛衰記)
・虹梁 − 雲に鶴
・太鼓周り − 牡丹に唐獅子
・幕板 − 右:頼朝 伏木隠れ、 左:鎮西八郎為朝の剛弓(源平盛衰記)
・板勾欄 − 梅,桜,向日葵(花暦)
・縁葛 − 波に鯉

◎ 曳行パターン
・パレード − パレードの日はまず朝日町,大西町,尾崎宮本町と一緒に尾崎駅前方面からパレードに合流、帰りは流れ解散をします。
・本宮 − 本祭り1日目は午前からところ曳きと、海老野の浜で朝日町,大西町,尾崎宮本町と合流し、4台で波太神社へ宮入をします。夜は尾崎駅下で朝日町,大西町,尾崎宮本町と一緒に通称「尾崎駅下8の字パレード」を行います。
・後宮 − 本祭り2日目は午前からところ曳きや海老野の浜へ曳行し、夕刻から尾崎中学校付近から尾崎駅方面へのいわゆる「福島パレード」を実施、その後夜は尾崎駅付近で朝日町,大西町,尾崎宮本町,新町と一緒に曳行します。

◎ 相生町の略年表
昭和30年代−先代のやぐらの曳行を休止。
平成8年9月16日日曜日−現在のやぐらを新調、波太神社にて入魂式。
平成9年10月11日土曜日−朝日町と御神輿担当に当たる。
平成15年10月−コマを新調。
平成18年10月9日月曜日−朝日町と御神輿担当に当たる。

◎ 相生町関連サイト
・阪南市の祭・やぐら → http://yagura.cool.ne.jp
・優雅・伝統・秋祭り → http://sazern9.fc2web.com

   …

 平成7年
平成7年10月11日の御披露目を最後に先代やぐらは解体され、彫物は町民各位へ配られました。

 平成8年9月16日
平成8年9月16日に波太神社にてやぐら新調記念入魂式が行われました。


阪南市唯一の駒提灯です。