- 地車紹介 feat. 波有手組 -
- 2009/12/27 -






波有手組 (ぼうでぐみ・西鳥取地区)
 ・新調:平成2年 (同年9月30日入魂式)
 ・大工:岡川公一氏,章氏兄弟,柿野氏
 ・彫師:木下賢治氏
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:不明
 ・宮入:波太神社



◎ 地名「鳥取」の由来
鳥取の地名について日本書記には『垂仁天皇の大皇太子誉津別王は30歳になってもモノを言わなかった。垂仁23年10月、鵠(クグイ・白鳥の事)が空を飛ぶのを見て、皇子は初めて「これ何者ぞ?」と言った。これを聞いて天皇は大いに喜び、その鳥を獲えるように臣下に命じ、天湯河板挙が「臣が必ず獲えましょう」と言い、遠く出雲の国まで行ってこの鳥を捕え、そのために皇子はモノを言う様になり、天皇は天湯河板挙に鳥取造の姓を与え賞し、鳥取部と定めた』とある。同様の伝承は古事記にも見られる。この様ないわれのある鳥取には南海電鉄鳥取ノ荘駅があり、駅名から解る様に昔は律令制度が敷かれており、荘園=鳥取ノ荘となった。かつて鳥取地区には北出・南出・出島・西出・東出・上出・本といった町のやぐらが有りましたが、現在では4地区に別れ、鳥取東地区(西鳥取上組),鳥取北地区(榮組),鳥取南地区・鳥取西地区(波有手組)である。

◎ 地名「波有手」の由来
かつては波有手(はうて)村とも言われ、波太宮の波太から転じたものかあるいは海岸の意味を含んでいるのかとも言われています。昭和31年の南海町合併の際に鳥取に改称されました。

◎ 先代のやぐら
鳥取南,西地区が一緒になった地区である波有手組のやぐらは、以前は南組,西組それぞれのやぐらが有りましたが昭和33年頃に台風で西組のやぐらが倒壊、南組のやぐらも昭和44年頃に台風で倒壊。以後南組,西組それぞれ単独でやぐらを復活させようとしましたが、祭りとして組織・運営する力は当時無く、ならば2つの組が協力して復活させようという話になったとも言われています。こういった経緯で再開された波有手組のやぐらは元々貝掛が曳行中止となり信達六尾へ駒を売却、昭和46年に貝掛が再び曳行する事になったが駒がないので当時曳行していなかった信達六尾へ再び駒を買い戻しに行った処、駒だけではなくやぐら本体と本幕も一緒に買ってくれとの事で購入し、貝掛の指出森神社境内の倉庫に駒をはずし保存していましたが、昭和58年に貝掛から波有手組へ売却されました。なお平成2年の新調の際に波有手在住の個人に売却されました。

◎ 現在のやぐら
現在のやぐらは平成2年に大工:岡川公一氏,章氏兄弟,柿野氏、彫師:木下賢治氏によって新調、同年9月30日に波太神社にて入魂式を挙行しました。また提燈は白地に赤の文字で「波有手」という文字です。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 正面:飛龍
・虹梁 − 波濤
・柱巻 − 右:降龍、 左:昇龍
・小脇板 − 右:媼、 左:翁 【高砂】
・脇障子 − 右:頼光の木渡り、 左:酒宴の場 【大江山】
・兜桁 − 「波有手」の文字
・幕板 − 右:巴御前の勇姿、 左:義経八艘飛
・犬勾欄 − 唐子遊び
・板勾欄 − 右:狩場風景 勢子の活躍、 左:仁田四郎忠常 猪退治 【富士の巻狩】
・縁葛 − 牡丹に唐獅子
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 鳳凰
・太鼓周り − 頼朝の朽木隠れ
・幕板 − 右:村上義光錦の御旗奪還、 左:新田義貞 稲村ヶ崎宝剣を奉ず 【太平記】
・板勾欄 − 波濤
・縁葛 − 波に鯉

◎ 曳行パターン
・パレード − パレードの日は鳥取ノ荘駅上に貝掛,箱作東,箱作西,西鳥取上組,榮組,新町と合流し7町でパレードに参加します。
・本宮 − 本祭り1日目は午前からところ曳きと阪南市役所前経由で波太神社への宮入が、宮入は貝掛,西鳥取上組,榮組,新町と一緒に曳行します。夜は西鳥取パレードとして鳥取ノ荘駅付近で西鳥取上組,榮組,新町と一緒に曳行します。
・後宮 − 本祭り2日目は午前からところ曳きを、夜は鳥取ノ荘駅付近で西鳥取上組,榮組,新町と一緒に曳行します。

◎ 波有手組の略年表
昭和33年頃−西組のやぐらが倒壊。
昭和44年頃−南組のやぐらが倒壊。
昭和58年−先代のやぐらを貝掛から購入。
平成2年9月30日日曜日−現在のやぐらを新調、波太神社にて入魂式を実施。
平成2年11月12日月曜日−天皇陛下御即位の礼に伴う記念曳行を実施。
平成5年6月9日水曜日−皇太子殿下御成婚に伴う記念曳行を実施。
平成10年10月−法被を新調。
平成11年10月11日月曜日−西鳥取上組,榮組と御神輿担当に当たる。
平成13年9月16日日曜日−梶台を修復、波太神社にて入魂式を実施。
平成14年10月−やぐら部屋を新築。
平成16年10月−纏を新調。
平成17年9月11日日曜日−駒新調と太鼓の幕の張替えに伴い、入魂式を実施。
平成19年10月8日月曜日−西鳥取上組,榮組と御神輿担当に当たる。
平成21年10月4日日曜日−組み物等を大修復、御祓いを実施。

● 波有手組関連サイト
・阪南市の祭・やぐら → http://yagura.fan-site.net
・優雅・伝統・秋祭り → http://sazern9.fc2web.com




先代のやぐら。


平成2年9月30日 − やぐらを新調、入魂式を実施。


平成13年9月16日 − 梶台を新調、入魂式を実施。


平成17年9月11日 − 駒を新調、入魂式を実施。


平成21年10月4日 − 組み物等を大修復、御祓いを実施。