- 地車紹介 feat. 宮元講 -
- 2012/2/11 -






宮元講 (みやもとこう・泉南市樽井地区)
 ・新調:明治時代初期
 ・大工:不明
 ・彫師:不明
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:不明
 ・宮入:芽淳神社



◎ 樽井のやぐらについて
樽井は樽井地区でやぐらをもっていず「講」組織で成り立った四講があります。また樽井の櫓には雄,雌があると言われており、獅子講が雄、宮元講が雌の上の櫓。戎福中講が雄、濱中講が雌で下の櫓とそれぞれ一対になると言われている。

◎ 宮元講の由来
明治時代初期に吾妻講と提灯講が合併してできた講で、現在のやぐらは吾妻講のやぐらを引き継いだものである。提灯講のやぐらは淡輪へ売却されたと言われるが確証はありません。もし確かなら大東連中の可能性が高い。

◎ 現在のやぐら
明治時代初期に吾妻講のやぐらとして新調、吾妻講と提灯講が合併し宮元講になった際に宮元講のやぐらとなる。大工:不明、彫師:大屋根幕板のみ二代目高松彦四郎(安田卯ノ丸)。やぐらの寸法は長さ10.38m、幅2.90m、高さ4.80m。提灯は正面に「宮」と「元」、屋根周りには「宮元」。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 正面:鳳凰、 後面:鳳凰
・飛檐垂木 − 無紋
・地垂木 − 無紋
・桁廻り − 波濤
・車板 − 正面:費張房(控鶴仙人)、 後面:盧敖仙人
・小屋虹梁 − 後面:波間に千鳥
・枡組 − 三手先四段:龍,唐獅子,牡丹
・枡合 − 正面:子,丑,寅、 右:卯,辰,巳、 左:酉,戌,亥、 後面:午,未,申 【十二支】
・木鼻 − 上段:コブシ
・虹梁 − 上段正面:牡丹を曳く唐獅子、 右:阿吽の唐獅子、 左:阿吽の唐獅子、 後面:阿吽の唐獅子
・欄間 − 正面:三傑 桃園に義を結ぶ、 右:屎。王城を退る、 左:関公(関羽)と黄忠、
      後面:截天夜叉 曹仁と戦う 【三國志】
・木鼻 − 下段正面:獏、 右:獅子、 左:獅子、 後面:獅子
・虹梁 − 下段正面:雲に麒麟、 右:雲に鳳凰、 左:雲に鳳凰、 後面:雲に麒麟
・小脇板 − 右:呂布、山昇りて敵の陣中を計る、 左:徐晃 大斧を打振りて崔勇を斬り落とす 【三國志】
・御簾 − 阿龍と吽龍
・幕板 − 右:玄徳 的廬踊らせて檀渓を跳ぶ、 左:孔明が智計 琴を弾じて仲達を退く、
      後面:魏の王観 いつわりて姜維へ降る 【三國志】
・脇障子 − 右:張飛 長坂橋に曹操を罵る、 左:董卓 ゆめで一の龍来たりて身にまとうと見る 【三國志】
・勾欄合 − 勢子の活躍 【富士の巻狩り】
・縁葛 − 波に兎
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 松に鷲
・飛檐垂木 − 無紋
・地垂木 − 無紋
・枡組 − 一手先三段:唐獅子,牡丹
・枡合 − 右:玉巵(太真王夫人),武志志、 左:控鶴仙人(費張房),傘風子
・木鼻 − 獅子
・虹梁 − 波間に千鳥
・欄間 − 右:司馬温公 瓶割りの場、 左:布袋和尚 唐子遊びの図 【唐子遊び】
・幕板 − 右:趙雲 幼主を守護して土杭を出る、 左:姜維 除質を一鑓に刺す 【三國志】
・勾欄合 − 右:鯛,鮃,伊勢蝦,波間に千鳥、 左:鮪,海鷂魚,河豚,蛸 【海の幸揃い踏み】
・小屋根脇障子 − 右:昇龍、 左:降龍
・車輪脇 − 獅子の子落とし
【本幕】
・本幕 − 三面:無地紅

◎ 曳行パターン
・パレード:ところ曳き、泉南市パレード
・宵宮:ところ曳き、三井住友銀行前まっせー
・本宮:ところ曳き、芽淳神社へ宮入、三井住友銀行前まっせー

◎ 宮元講の略年表
・明治時代初期 − 吾妻講のやぐらとして新調。
・昭和62年 − 植山工務店にて大修復。
・平成19年9月29日 − 駒を新調、試験曳きを実施。




平成19年9月29日 − 駒を新調、試験曳きを実施。