- 地車紹介 feat. 大西町 -
- 2012/8/13 -






大西町 (おおにしちょう・尾崎地区)
 ・新調:平成23年(同年8月28日入魂式)
 ・大工:板谷工務店
 ・彫師:木下彫刻工芸
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:梶内だんじり
 ・宮入:波太神社



◎ 地名「尾崎」の由来
地名は尾里の先であることに由来する。また下出より移住した11軒に始まると言う言い伝えもある。旧尾崎村は海に面し、遠浅の海岸は早くから海産物の集積場として栄え、江戸時代初期には現在の町の基礎がつくられていた。その後昭和14年6月に村は町制を施行して尾崎町となり、その後昭和31年9月には西鳥取,下荘の2村と合併、町名も南海町と改まった。その際に南海町尾崎となるべきでしたが、旧尾崎町民の思いは尾崎町こそが本来の町だと言う事であえて町の字を地名に残した。またやぐらは昔は北出,南出,相生(2〜3台),本町,天王町,西出,海老野とあったと伝わる。

◎ 先々代のやぐら
先々代のやぐらは明治時代に新調、平成2年の曳行を最後に大西町から引退し、平成3年3月3日に岬町の深日無形文化財保存会へ譲られ、現在では深日二号(里)として曳行されてます。

◎ 先代のやぐら
先代のやぐらは平成3年に大工:見本圭介氏、彫師:木下彫刻工芸によって新調、平成3年9月8日日曜日に波太神社にて入魂式を挙行しました。本幕は平成8年に梶内だんじり鰍ノよって新調、平成13年には屋根の大修復を実施、阪南市では唯一の入母屋にしました。平成22年10月24日日曜日に波太神社にて昇魂式を実施、平成23年5月1日日曜日に搬出を行い現在では某所に保管されています。

◎ 現在のやぐら
平成20年6月28日土曜日に泉佐野市葵町の松原木材鰍ノて原木祭を実施、平成23年に大工:板谷工務店、彫師:木下彫刻工芸によって新調、同年8月28日日曜日に波太神社にて入魂式を挙行しました。また提灯は白地に赤の文字で「大西」という文字です。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 右:宝珠を掴む龍、 左:雲に飛龍
・懸魚 − 正面:雲に日輪、 後面:雲に月輪
・車板 − 正面:鳳凰、 後面:阿吽の麒麟
・飛檐垂木 − 「大」の文字
・地垂木 − 「西」の文字
・隅木 − 波太神社御神紋
・隅出 − 牡丹に唐獅子
・枡組 − 龍,獅子,鳥,牡丹,松竹梅 【四手先八段】
・枡合天井 − 正面:雲に鶴、 右:宝珠を掴む龍、 左:宝珠を掴む龍、 後面:雲に鶴
・二重枡合 − 龍,獅子,牡丹 【枡組二段】
・枡合 − 正面:天の岩戸 【神話伝説】、 右:醍醐の花見【太閤記】、 左:本能寺の変 【信長公記】、
       後面:三貴子五穀起源 【神話伝説】
・木鼻 − 正面右:伊勢海老を抱く唐獅子、 正面左:鯛を抱く唐獅子、 右前:軍配を抱く唐獅子、
        右前:扇を抱く唐獅子、 右後:牡丹を抱く唐獅子、 左後:火珠を抱く唐獅子
・頭貫 − 牡丹
・虹梁 − 波間に千鳥
・欄間 − 正面:清水講縁記 【大西町伝承記】、 右:五大老に後事を託す、 左:中国大返し 【太閤記】
・長押 − 正面:松に鶴、 右:竹に雀、 左:梅に鶯
・柱巻 − 右:昇り龍、 左:降り龍
・小脇板 − 右:風神、 左:雷神
・幕板 − 右:千鳥の香炉盗り、 左:山崎の合戦 【太閤記】
・脇障子 − 右:千鳥の香炉盗り、 左:山崎の合戦 【太閤記】
・兜桁 − 波太神社御神紋
・竹の節 − 上:伊勢込み(籠彫)、 下:波太神社御神紋
・幣持ち − 神鏡
・犬勾欄 − 右上:蜃を吐く阿龍、 左上:蜃を吐く吽龍、 右下:獅子の鞠遊び(阿形)、 左下:獅子の鞠遊び(吽形)、
         右平:竹林に遊ぶ二羽の雀、 左平:眠り猫
・内勾欄 − 日吉丸 誕生 【太閤記】
・跳勾欄 − 勾欄合:正面右:亀、 正面左:鶴、 右:人の一生、 左:人の一生、 束:町紋
・板勾欄 − 正面右:富士川の初陣、 正面左:小六との出会い、 右:加藤清正 勇戦、 左:福島正則 奮戦 【太閤記】
・勾欄竹の節 − 上:伊勢込み(籠彫)、 下:町紋
・縁葛 − 正面:高松城水攻め、 右:脇坂陣内 勇戦、 左:加藤嘉明 勇戦 【太閤記】
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 波間に鯱
・懸魚 − 波間に千鳥
・車板 − 宝珠を掴む青龍
・飛檐垂木 − 「大」の文字
・地垂木 − 「西」の文字
・隅木 − 波太神社御神紋
・隅出 − 牡丹に唐獅子
・枡組 − 龍,獅子,牡丹,松竹梅 【三手先六段】
・枡合天井 − 後正面:雲に鶴、 右:雲に鶴、 左:雲に鶴
・枡合 − 後正面:素戔嗚尊 大蛇退治 【神話伝説】、 右:犬伏の別れ、 左:二条城の対面 【難波戦記】
・木鼻 − 後正面右:唐獅子、 後正面左:唐獅子、 右前:手鞠を抱く唐獅子、 左前:小槌を抱く唐獅子、
        右後:筆を抱く唐獅子、 左後:提灯を抱く唐獅子
・頭貫 − 牡丹
・虹梁 − 右:牡丹に鳳凰、 左:牡丹に鳳凰
・欄間 − 右:真田大助 初陣、 左:木村重成 初陣 【難波戦記】
・長押 − 右:桜に山鵲、 左:牡丹に鳳凰
・太鼓廻り − エビノの蜘蛛 【大西町伝承記】
・撥立 − 右:恵比須天、 左:大国天
・幕板 − 右:真田幸村 勇戦、 左:後藤又兵衛 勇戦 【難波戦記】
・跳勾欄 − 勾欄合右:?、 左:梅に鶯,竹に雀,松に鶴、 束:波太神社御神紋
・腰組 − 龍,獅子,牡丹 【三段】、 欄間:波間に千鳥
【本幕】
・本幕 − 正面:町紋に大西の文字、 右:信玄と謙信 龍虎相打つ、 左:宇佐見定行と山本勘助 【川中島合戦記】

◎ 曳行パターン
・パレード − パレードの日はまず相生町,朝日町,尾崎宮本町と一緒に尾崎駅前方面からパレードに合流、帰りは流れ解散をします。
・本宮 − 本宮は午前からところ曳きと、海老野の浜で相生町,朝日町,尾崎宮本町と合流し、4台で波太神社へ宮入をします。夜は尾崎駅下で相生町,朝日町,尾崎宮本町と一緒に通称「尾崎駅下8の字パレード」を行います。
・後宮 − 後宮は午前からところ曳きや海老野の浜へ曳行し、夕刻から尾崎中学校付近から尾崎駅方面へのいわゆる「福島パレード」を実施、その後夜は尾崎駅付近で相生町,朝日町,尾崎宮本町,新町と一緒に曳行します。

◎ 大西町の略年表
・明治時代−先々代のやぐらを新調。
・平成2年11月12日月曜日−天皇陛下御即位の礼に伴う記念曳行を実施。
・平成3年3月3日−先々代のやぐらが岬町の深日無形文化財保存会へ譲渡される。
・平成3年9月8日日曜日−先代やぐらを新調、波太神社にて入魂式。
・平成5年6月9日水曜日−皇太子殿下御成婚に伴う記念曳行を実施。
・平成8年10月−本幕を新調。
・平成10年10月11日日曜日−尾崎宮本町と御神輿担当に当たる。
・平成13年9月16日日曜日−先代やぐらの屋根等を修復、波太神社にて入魂式を実施。
・平成14年10月−大西町の法被のデザインを一新。
・平成15年10月−纏を新調。
・平成17年5月15日日曜日−駒を新調、試験曳きを実施。
・平成17年10月10日月曜日−尾崎宮本町と御神輿担当に当たる。
・平成20年6月28日土曜日−やぐら新調原木祭を実施。
・平成21年6月7日日曜日−大屋根を修復、御祓いを実施。
・平成22年10月23日土曜日−やぐら昇魂式前夜祭を実施。
・平成22年10月24日日曜日−やぐら昇魂式を実施。
・平成23年5月1日日曜日−先代やぐらを搬出。
・平成23年8月13日土曜日−やぐらを搬入。
・平成23年8月28日日曜日−やぐらを新調、波太神社にて入魂式。
・平成23年8月−大西町の法被のデザインを一新。

◎ 海老野の浜について
大西町といえば海老野の浜が有名で、御神輿は波太神社から海老野の浜へ担がれて来ます。そして海老野の浜へ御神輿ごと、海入りします。そう言った由縁のある大西町は、昔のハッピにも「海老野」と書かれてました。






先々代やぐら、深日二号として曳行中。


平成3年9月8日 − 先代やぐらを新調、入魂式を実施。


平成13年9月16日 − 屋根を新調、入魂式を実施。


平成17年5月15日 − 駒を新調、試験曳きを実施。


平成20年6月28日 − やぐら新調原木祭を実施。


平成21年6月7日 − 大屋根を修復、御祓いを実施。


平成22年10月23日 − やぐら昇魂式前夜祭を実施。


平成22年10月24日 − やぐら昇魂式を実施。


平成23年5月1日 − 先代やぐらを搬出。


平成23年8月13日 − やぐらを搬入。


平成23年8月28日 − やぐらを新調、入魂式を実施。