- 地車紹介 feat. 榮組 -
- 2014/2/15 -






榮組 (さかえぐみ・西鳥取地区)
 ・新調:平成2年 (同年9月30日入魂式)
 ・大工:岡川公一氏,章氏兄弟
 ・彫師:木下頼定氏
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:不明
 ・宮入:波太神社



◎ 地名「鳥取」の由来
鳥取の地名について日本書記には『垂仁天皇の大皇太子誉津別王は30歳になってもモノを言わなかった。垂仁23年10月、鵠(クグイ・白鳥の事)が空を飛ぶのを見て皇子は初めて「これ何者ぞ?」と言った。これを聞いて天皇は大いに喜びその鳥を獲えるように臣下に命じ、天湯河板挙が「臣が必ず獲えましょう」と言い、遠く出雲の国まで行ってこの鳥を捕えそのために皇子はモノを言う様になり、天皇は天湯河板挙に鳥取造の姓を与え賞し、鳥取部と定めた』とある。同様の伝承は古事記にも見られる。この様ないわれのある鳥取は昔、律令制度が敷かれており「荘園=鳥取ノ荘」となった。かつて鳥取地区には北出・南出・出島・西出・東出・上出・本といった町のやぐらが有りましたが、現在では4地区に別れ、鳥取東地区(西鳥取上組),鳥取北地区(榮組),鳥取南地区・鳥取西地区(波有手組)である。

◎ 先代のやぐら
昔は漁師中心の北出と百姓中心の中出の2台のやぐらがありましたが、時期は不明ですが2台が合併して現在の榮組となりました。その際に2台合併したと言う事で他地区のやぐらより大きめに製作されたと言われてます。先々代のやぐらは明治時代に深日方面に売却、先代のやぐらは明治時代に新調、彫物の題材は大阪夏の陣が彫られています。この先代のやぐらは平成2年に解体処分されました。

◎ 現在のやぐら
現在のやぐらは平成2年に大工:岡川公一氏,章氏兄弟、彫師:木下頼定氏によって新調、同年9月30日日曜日に榮組やぐら部屋前の旧西鳥取農協にて入魂式を挙行しました。また提灯は白地に赤の文字で「榮組」という文字です。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 右:雲に阿龍、 左:雲に吽龍
・懸魚 − 正面:雲に鶴、 後面:雲に鷹
・車板 − 正面:?、 後面:雲に鶴
・枡合 − 正面:波濤、 右:?、 左:?、 後面:波濤
・虹梁 − 雲海
・欄間 − 正面:源義光、 右:?、 左:釣鐘弁慶 【源平盛衰記】
・長押 − 波濤
・柱巻 − 右:昇り龍、 左:降り龍
・小脇板 − 右:天手力男神、 左:天宇受売命 【神話伝説】
・幕板 − 右:?、 左:脇坂陣内 【賤ヶ岳の合戦】
・脇障子 − 右:新田義貞 稲村ヶ崎宝剣を奉ず、 左:新田義貞従者 【太平記】
・兜桁 − 「榮組」の文字
・犬勾欄 − 正面:唐子、 右:?、 左:?
・擬宝珠勾欄 − 勾欄合:波濤、 束:力神
・内勾欄 − 牡丹に唐獅子
・板勾欄 − ?
・縁葛 − 正面:阿吽の唐獅子、 右:谷越え唐獅子、 左:谷越え唐獅子
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 右:雲に阿龍、 左:雲に吽龍
・懸魚 − 鳳凰
・車板 − ?
・枡合 − 正面:?、 右:?、 左:?
・虹梁 − 雲海
・欄間 − 右:楠公子別れ 桜井の駅、 左:加藤清正 虎退治 【太平記】
・長押 − 波濤
・柱巻 − 右:降り龍、 左:昇り龍
・太鼓廻り − 源義経 八艘飛び 【源平盛衰記】
・幕板 − 右:羽柴秀吉、 左:佐久間盛政 【賤ヶ岳の合戦】
・擬宝珠勾欄 − 勾欄合:波濤、 束:力神
・縁葛 − 右:波間に吽龍、 左:波間に阿龍
【本幕】
・本幕 − 正面:「榮組」の文字、 右:阿龍、 左:吽龍

◎ 曳行パターン
・パレード − パレードの日は鳥取ノ荘駅上に貝掛,箱作東,箱作西,西鳥取上組,波有手組,新町と合流し7町でパレードに参加します。
・本宮 − 本宮は午前からところ曳きと波太神社への宮入が、宮入は貝掛,西鳥取上組,波有手組,新町と一緒に曳行します。夜は西鳥取パレードとして鳥取ノ荘駅付近や新町・安田広場で西鳥取上組,波有手組,新町と一緒に曳行します。
・後宮 − 後宮は午前からところ曳きを、夜は鳥取ノ荘駅付近や新町・安田広場で西鳥取上組,波有手組,新町と一緒に曳行します。

◎ 榮組の略年表
・明治時代−先代やぐらを新調。
・平成2年9月30日日曜日−やぐらを新調、旧西鳥取農協にて入魂式を実施。
・平成2年11月12日月曜日−天皇陛下御即位の礼に伴う記念曳行を実施。
・平成5年6月9日水曜日−皇太子殿下御成婚に伴う記念曳行を実施。
・平成10年9月13日日曜日−駒を新調、波太神社にて入魂式を実施。
・平成11年10月11日月曜日−西鳥取上組、波有手組と御神輿担当に当たる。
・平成16年10月−纏を新調。
・平成19年10月8日月曜日−西鳥取上組、波有手組と御神輿担当に当たる。
・平成21年9月13日日曜日−駒を新調、波太神社にて入魂式を実施。




先代やぐら。


先代やぐらの彫物。


先代やぐらの彫物。


平成2年9月30日 − やぐらを新調、入魂式を実施。


平成10年9月13日 − 駒を新調、入魂式を実施。


平成21年9月13日 − 駒を新調、入魂式を実施。