- 地車紹介 feat. 自然田東組 -
- 2014/5/24 -






自然田東組 (じねんだひがしぐみ・東鳥取五地区)
 ・新調:大正9年
 ・大工:大寅 若野寅太郎氏
 ・彫師:不明
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:不明
 ・宮入:波太神社



◎ 地名「自然田」の由来
自然田の地名の由来は小川,山中川などの流域地域であり、自然に田ができたので自然田と銘々されました。謡曲で知られる自然居士の出生地でもあります。その自然田は安政6年(1859年)頃は上出,寺脇,東,南,芝の5つにわかれ、やぐらも5台ありましたが、集約され上出(上出,寺脇−今の自然田上組)、中之場(東,南−今の自然田東組)、 芝出(芝−今の自然田上東組)の3台になりました。

◎ 先代のやぐら
先代のやぐらは大正5,6年頃に泉南市信達葛畑に売却されました。

◎ 現在のやぐら
現在のやぐらは大正9年に大工:大寅(若野寅太郎氏)によって新調しました。また屋根の形は正面から眺めた形が軒先部分を撫で肩にし、反りあげた形である唐破風(カラハフ)と呼ばれる形で、これは波太神社拝殿と同様の形をしています。また提灯は白地に赤の文字で「飛賀志」という文字です。

◎ 新調予定のやぐら
平成28年を目処にやぐらを新調予定。大工:植山工務店、彫師:木彫岸田。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 正面:鳳凰、 後面:雲に鶴
・車板 − 正面:?
・小屋虹梁 − 雲海
・飛檐垂木 − 無紋
・地垂木 − 獅子
・枡組 − 龍,獅子,牡丹 【七手先八段】
・枡合 − 正面:雲海、 右:?、 左:?、 後面:雲海
・虹梁 − 波濤
・欄間 − 正面:?、 右:?、 左:?、 後面:?
・長押 − 雲海
・柱巻 − 右:降り龍、 左:昇り龍
・小脇板 − 右:平清盛、 左:荼吉尼天(ダキニテン) 【源平盛衰記】
・幕板 − 右:信玄と謙信 龍虎相打つ 【川中島軍記】、 左:粟津合戦 木曾義仲勇戦 【源平盛衰記】
・脇障子 − 右:?、 左:?
・犬勾欄 − 正面上:雪だるま遊び、 正面下:棒馬遊び 【唐子遊び】、 右:波間に兎、 左:波間に兎
・板勾欄 − 正面右:唐子と犬、 正面左:太鼓を叩く唐子、 右:犬遊び、 左:鬼ごっこ 【唐子遊び】
・縁葛 − 正面:牡丹に唐獅子、 右:花籠を曳く唐獅子、 左:阿吽の唐獅子
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・懸魚 − 鳳凰
・車板 − 大国天と鼠 【神話伝説】
・小屋虹梁 − 雲海
・飛檐垂木 − 無紋
・地垂木 − 獅子
・枡組 − 龍,獅子,牡丹 【五手先六段】
・枡合 − 後正面:?、 右:?、 左:?
・虹梁 − 波濤
・欄間 − 右:鎮西八郎為朝の強弓 【源平盛衰記】、 左:?
・長押 − 雲海
・太鼓周り − 雲に鶴
・幕板 − 右:天竺の斑足王 【三国妖婦伝】、 左:村上義光 錦の御旗奪還 【太平記】
・板勾欄 − 右:司馬温公 瓶割りの場、 左:楽器遊び 【唐子遊び】
【本幕】
・本幕 − 正面:「東組」の文字、 右:屋島の合戦 那須与一 扇の的、
       左:一ノ谷の合戦 敦盛を呼び戻す 熊谷次郎直実

◎ 曳行パターン
・パレード − パレードの日は森下酒店前にて和泉鳥取,山中渓,自然田上組,自然田上東組と合流、サークルK阪南鳥取中店前にて石田宮本,黒田,下出,鳥取中と合流し9町でパレードに参加、帰りは和泉鳥取,山中渓,自然田上組,自然田上東組と一緒に帰路につきます。
・本宮 − 本宮は午前からところ曳きと波太神社への宮入が、波太神社への宮入は自然田上組,自然田上東組と一緒に曳行します。夜は水本運送で自然田上組,自然田上東組と一緒に曳行します。
・後宮 − 後宮は午前からところ曳きが、夜は水本運送にて自然田上組、自然田上東組と一緒に曳行します。
・東鳥取五地区パレード − 波太神社宮入の時間によって異なりますが、本宮か後宮に和泉鳥取,山中渓,自然田上組,自然田東組,自然田上東組の5台で、各年持ち回りで和泉鳥取,山中渓,自然田地区をパレードします。

◎ 自然田東組の略年表
・大正5,6年−先代のやぐらを売却。
・大正9年−現在のやぐらを新調。
・昭和60年−地元大工:古川茂信氏によってやぐらを修復。
・平成2年11月12日月曜日−天皇陛下御即位の礼に伴う記念曳行を実施。
・平成5年6月9日水曜日−皇太子殿下御成婚に伴う記念曳行を実施。
・平成6年10月11日火曜日−自然田上組、自然田上東組と御神輿担当に当たる。
・平成14年10月14日月曜日−自然田上組、自然田上東組と御神輿担当に当たる。
・平成15年9月28日日曜日−駒を新調、波太神社にて入魂式を実施。
・平成22年10月11日月曜日−自然田上組、自然田上東組と御神輿担当に当たる。
・平成25年6月23日日曜日−やぐら新調原木祭を実施。

◎ 「飛賀志」の由来
自然田東組の「飛賀志」とは「東」のゴロ合わせで「祭なので勢いがあるように飛ぶ、神社が絡むのでめでたいように賀正の賀、祭を盛り上げていく志、それで飛賀志」となったそうです。




平成15年9月28日 − 駒を新調、入魂式を実施。


平成25年6月23日 − やぐら新調原木祭を実施。