- 地車紹介 feat. 箱作東 -
- 2014/7/13 -






箱作東 (はこつくりひがし・下荘地区)
 ・新調:平成12年 (同年9月30日土曜日入魂式)
 ・大工:武輪俊夫氏
 ・彫師:坂本工芸
 ・彫物:下記「彫物図柄解説」参照
 ・本幕:川島織物
 ・宮入:菅原神社



◎ 地名「箱作」の由来
箱作の地名は平安時代から使われており京都下鴨神社改修の際、御霊箱を加茂川に流したところ箱作の海岸に漂着したので箱着里(ハコツクリ)と言われました。このことからこの地に加茂神社を造営したと言われています。その様な由来のある箱作は昔から石工の盛んな土地でもありました。青白色で石肌の細密、かつ比較的加工の容易な和泉石を産し、石碑や臼その他の石材工芸を手がけて京をはじめ諸国に広く搬出しており、土地の言い伝えではこの和泉石で石棺を作ったことに由来するとも言われています。

◎ 箱作駅前について
かつて下荘地区のやぐらは主に箱作駅前でやぐらを曳きました。その理由は昔、箱作駅前に一本松がありその一本松を囲んで反時計廻りに廻った慣わしから箱作駅前でやぐらを曳いていましたが、箱作駅前再開発の影響を受けて平成18年以降は箱作駅前にて曳行できなくなり、平成18年,19年はスカイタウンロード入口にて、平成20年以降の現在は箱作駅ロータリーにてやぐらを曳行してます。

◎ 先代のやぐら
先代のやぐらは箱作西が大正8年頃にやぐらを新調した事に刺激を受け、大正12年5月に道具大工中の6名によって2,200円で新調しました。その後昭和40年にやぐらが大破し曳行中止。昭和49年9月に旧やぐら部屋の老廃化に伴い菅原神社内にやぐら部屋を新築、その際に大破したやぐらも大修復して同年から曳行再開、また昭和58年には再度大修復しました。平成12年9月30日土曜日菅原神社にて新調入魂式と一緒に昇魂式を実施、現在ではやぐら部屋に2台一緒に納庫されています。

◎ 現在のやぐら
現在のやぐらは平成12年に大工:武輪俊夫氏、彫刻:坂本工芸によって新調、同年9月30日土曜日菅原神社にて入魂式と先代のやぐらの昇魂式を挙行しました。また提燈は赤地に白の文字で「東若」、正面には大型の提灯で黒文字で「御神燈」が装飾されてます。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 雲龍
・懸魚 − 正面:鳳凰、 背面:雲に鶴
・車板 − 正面:平景清 綴引き 【源平盛衰記】、 後面:?
・小屋虹梁 − 雲海
・枡合 − 正面:天の岩戸 【神話伝説】、 右:桶狭間 今川義元の最期 【信長公記】、 左:?
・虹梁 − 牡丹に若葉
・欄間 − 正面:?、 右:?、 左:?
・長押 − 正面:雲に阿龍、 右:雲に吽龍、 左:雲に阿龍
・柱巻 − 右:降り龍、 左:昇り龍
・小脇板 − 右:?、 左:?
・幕板 − 右:?、 左:?
・脇障子 − 右:誉田別命を抱く武内宿禰 【神話伝説】、 左:?
・兜桁 − 「東」の文字
・犬勾欄 − 正面:松に鶴、 右:勢子、 左:?
・内勾欄 − 阿吽の唐獅子
・擬宝珠勾欄 − 勾欄合:波に千鳥、 束:力神
・板勾欄 − 正面:狩場風景 【富士の巻狩】、 右:上野介召捕りの場 【忠臣蔵】、 左:浅野内匠頭の最期 【忠臣蔵】
・縁葛 − 正面:牡丹に唐獅子、 右:吉良邸討入り 内蔵助陣太鼓を打つ 【忠臣蔵】、 左:刃傷松の廊下 【忠臣蔵】
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 雲龍
・懸魚 − 飛龍
・車板 − 頼朝の朽木隠れ 【源平盛衰記】
・枡合 − 後正面:牛若弁慶 五条大橋の出会い 【源平盛衰記】、 右:曽我兄弟 工藤が寝所に忍ぶ 【曽我物語】、
      左:新田義貞 稲村ヶ崎宝剣を奉ず 【太平記】
・虹梁 − 牡丹に若葉
・欄間 − 右:?、 左:?
・長押 − 右:雲に阿龍、 左:雲に吽龍
・柱巻 − 右:降り龍、 左:昇り龍
・太鼓廻り − ?
・幕板 − 右:天竺の班足王 【三国妖婦伝】、 左:素戔嗚尊 大蛇退治 【神話伝説】
・板勾欄 − 右:玄武、 左:玄武
・縁葛 − 波濤
【本幕】
・本幕 − 正面:「東若中」の文字、 右:雲龍、 左:竹に虎

◎ 曳行パターン
・パレード − パレードの日は箱作駅前にて箱作西と合流、昼頃に貝掛村中の久堀川付近にて貝掛,箱作西と合流、その後鳥取ノ荘駅上にて西鳥取上組,榮組,波有手組,そして新町と合流し7町でパレードに参加します。
・本宮 − 本宮は午前からところ曳きを、夜は箱作駅ロータリーにて貝掛,箱作西と一緒に曳行します。
・後宮 − 後宮は午前からところ曳きをしその後貝掛,箱作西と合流し下荘地区青年團のイベント「ザ・勝負やぐら」をしその後3町で箱作東の浜へ。そこで3町で昼食をとり下荘漁港へ曳行。夜は貝掛,箱作西と菅原神社,指出森神社,加茂神社の中の一神社へ順番に宮入りします。このいわゆる「宮当番」は菅原神社,指出森神社,加茂神社の順で宮入りし、3年に1度は宮当番が当たる計算となります。その後箱作駅ロータリーで貝掛,箱作西と一緒に曳行します。

◎ 箱作東の略年表
・大正12年5月−先代やぐらを新調。
・昭和40年−やぐら大破に伴い曳行休止。
・昭和49年9月−菅原神社境内にやぐら部屋を新築。
・昭和49年10月−先代やぐらを大修復、曳行再開。
・昭和58年10月−先代やぐらを大修復。
・平成元年10月−本幕を新調。
・平成3年10月6日日曜日−阪南市・市制施行記念やぐらパレードに参加。
・平成4年10月−箱作東青年団(東若会)を結成。
・平成5年6月9日水曜日−皇太子殿下御成婚に伴う記念曳行を実施。
・平成9年10月−菅原神社境内にやぐら部屋を新築。
・平成12年9月30日土曜日−やぐらを新調、菅原神社にて新調入魂式・昇魂式を実施。
・平成13年10月6日土曜日−阪南市・市制施行10周年記念パレードに参加。 (以後継続参加)
・平成15年10月−纏を新調。
・平成18年10月8日日曜日−箱作駅前が使用不可となり、スカイタウンロード入口での"まっせー"となる。
・平成20年5月11日日曜日−箱作駅ロータリー試験曳きを実施。
・平成20年10月12日日曜日−スカイタウンロード入口から箱作駅ロータリーでの"まっせー"となる。
・平成21年9月19日土曜日−駒を新調、試験曳きを実施。
・平成25年10月13日日曜日・14日月曜日−先代やぐらを曳行。




先代やぐら。


平成12年9月30日 − やぐらを新調、入魂式・昇魂式を実施。


平成20年5月11日 − 箱作駅ロータリー試験曳きを実施。


平成21年9月19日 − 駒を新調、試験曳きを実施。


平成25年10月13日・14日 − 先代やぐらを曳行。