- 地車紹介 feat. 市場 -
- 2020/8/30 -
泉南市のやぐらの紹介文を【推敲】し改めて御紹介する「地車紹介」、今回は市場のやぐらを御紹介します。平成7年に新調された市場、手作りで「市場秋祭りやぐらの記録」を発刊するなど区民全員がこのやぐらを大切にする姿に尊敬の念を抱きました。我が貝掛も同様の活動したいのに…。 |
● 市場 (いちば・泉南市信達地区) ・新調:平成7年(同年9月16日入魂式) ・大工:川端建設 ・彫師:木下彫刻工芸 ・本幕:川島織物 ・太鼓:太鼓正(皮張替:浅野太鼓楽器店) ・宮入:市場稲荷神社 ◎ やぐらの歴史 三先代前のやぐらは現在のよぐらよりも大きかった様ですが、新調を希望する若者達が市場稲荷神社にあった大木にぶつけて壊そうとするが壊れず樫井川に落として崩壊、彫物等は市が開かれ売却されました。次いで先々代のやぐらは昭和23年頃に大工:大寅(若野寅次郎師)、彫師:木下舜次郎師によって新調するが昭和49年の失火で消失。先代のやぐらは新町のやぐらとして新調されたやぐらで大正7年に中孝子へ譲渡され昭和52年に市場が購入、改修して曳行していましたが平成7年9月16日に昇魂式を実施、その後解体し彫り物は関係者で分けられました。 ◎ 現在のやぐら 現在のやぐらは平成7年に大工:川端建設、彫刻:木下彫刻工芸によって新調、同年9月16日市場稲荷神社にて入魂式を挙行しました。また提灯は正面、屋根周りともに「市場」。 ◎ 彫物図柄解説 【大屋根廻り】 ・鬼板 − 獅噛み ・箱棟 − 雲龍 ・懸魚 − 正面:宝珠を掴む青龍、 後面:雲龍 ・車板 − 正面:雲龍、 後面:竹に虎 ・小屋虹梁 − 雲海 ・飛檐垂木 − 菊紋 ・地垂木 − 獅子 ・枡組 − 千鳥,龍,獅子,獏 【六手先八段】 ・支輪 − 波濤 ・枡合天井 − 雲海 ・枡合 − 正面:牡丹、 右:素戔嗚尊 大蛇退治、 左:天の岩戸 【神話伝説】、 後面:牡丹 ・木鼻 − 正面右:宝珠を持つ唐獅子、 正面左:鞠を持つ唐獅子、 右前:巻物を持つ唐獅子、 左前:瓢箪を持つ唐獅子、 右後:子獅子を抱く唐獅子、 左後:茶釜を持つ唐獅子、 後面右:鈴を持つ唐獅子、 後面左:牡丹を持つ唐獅子 ・台輪 − 牡丹 ・虹梁 − 菊に若葉 ・欄間 − 正面:羅生門 渡辺綱 禁札立て、 右:酒盛りの場、 左:頼光 木渡り 【大江山】、 後面:雲海 ・長押 − 正面:梅に山鵲、 右:牡丹に鳳凰、 左:菊に鳳凰 ・柱巻 − 右:昇り龍、 左:降り龍 ・小脇板 − 右:五条大橋 牛若弁慶との出会い、 左:鞍馬山 牛若修行の場 【源平盛衰記】 ・幕板 − 右:一ノ谷の合戦、 左:生田の森 箙の梅梶原景季 【源平盛衰記】 ・脇障子 − 右:那須与一 扇の的、 左:源義経 八艘飛 【源平盛衰記】 ・竹の節 − 青海波に市場稲荷御神紋 ・兜桁 − 市場の文字 【腰廻り】 ・犬勾欄 − 正面:阿吽の唐獅子、 右:波濤に玄武、 左:波濤に玄武 ・内勾欄 − 波に兎 ・擬宝珠勾欄 − 勾欄合:波間に千鳥、 束:力神 ・板勾欄 − 正面:平景清 錣引き、 右:粟津合戦 巴御前、 左:粟津合戦 木曽義仲 【源平盛衰記】 【小屋根廻り】 ・鬼板 − 獅噛み ・箱棟 − 雲龍 ・懸魚 − 鷲の猿掴み ・車板 − 阿吽の唐獅子 ・小屋虹梁 − 雲海 ・飛檐垂木 − 菊紋 ・地垂木 − 獅子 ・枡組 − 千鳥,龍,獅子,獏 【四手先六段】 ・支輪 − 波濤 ・枡合 − 後正面:神武東征 八咫烏、 右:日本武尊 熊襲征伐、 左:神功皇后 応神天皇平産 【神話伝説】 ・木鼻 − 後正面右:巾着を抱く唐獅子、 正面左:鍵を持つ唐獅子、 右前:軍配を持つ唐獅子、 左前:徳利を持つ唐獅子、 右後:小槌を持つ唐獅子、 左後:俵を持つ唐獅子 ・台輪 − 牡丹 ・虹梁 − 菊に若葉 ・欄間 − 右:仁田四郎 猪退治、 左:頼朝 報償ノ場 【富士ノ巻狩】 ・長押 − 右:梅に鶯、 左:桐に鳳凰 ・太鼓廻り − 太鼓枠板:紅葉に山鵲、 四本柱:鯉の滝登り ・幕板 − 右:宇治川ノ合戦、 左:奥州征伐 【源平盛衰記】 ・板勾欄 − 右:清盛 怪異を見る、 左;清盛 落日を呼び戻す 【源平盛衰記】 ・縁葛 − 右:鬼ごっこ、 左:司馬温公 瓶割の場 【唐子遊び】 【本幕】 ・本幕 − 正面:市場の文字に市場稲荷御神紋、 右:牡丹に胡蝶と唐獅子、 左:牡丹に胡蝶と唐獅子 ◎ 曳行パターン ・宵宮:ところ曳き、信達パレード(大苗代,牧野.岡中と連合曳き) ・本宮:ところ曳き、市場稲荷神社へ宮入 ◎ 市場の略年表 ・昭和23年頃−先々代のやぐらを新調。 ・昭和52年−先々代のやぐら、失火により消失。 ・昭和56年−上孝子より先代やぐらを購入。 ・平成5年6月12日−新調やぐら着工。 ・平成5年8月15日−本幕発注。 ・平成6年8月21日−関西国際空港開港記念大見学会へ参加。 ・平成6年11月−坂東太鼓店によって太鼓皮張替。 ・平成7年9月1日−本幕謹製。 ・平成7年9月2日−新調やぐら竣工。 ・平成7年9月16日−先代やぐらの昇魂式を実施、その後解体。 ・平成7年9月16日−現在のやぐらを新調、市場稲荷神社にて入魂式を実施。 ・平成21年10月 − 提燈を「市場」へ変更。 ・平成26年5月11日日曜日−彫物撮影会を実施。 ・平成27年9月16日水曜日−市場秋祭りやぐらの記録を発刊。 ・平成27年10月4日日曜日−市場やぐら二十周年記念曳行を実施。 ・平成28年3月−浅野太鼓楽器店によって太鼓皮張替。 |
… 先々代やぐら。 先代やぐら。 平成6年8月21日 − 関西国際空港開港記念大見学会へ参加。 平成7年9月16日 − やぐら昇魂式を実施。 平成7年9月16日 − 先代やぐらを解体。 平成7年9月16日 − やぐらを新調、入魂式を実施。 平成21年10月 − 提燈を「市場」へ変更。 平成26年5月11日 − 彫物撮影会を実施。 平成27年9月16日 − 市場秋祭りやぐらの記録を発刊。 平成27年10月4日 − 市場やぐら二十周年記念曳行を実施。 |