- 地車紹介 feat. 濱中講 -
- 2021/7/4 -
泉南市のやぐらの紹介文を【推敲】し改めて御紹介する「地車紹介」、今回は濱中講のやぐらを御紹介します。樽井地区のやぐらの中で初めて拝見したのが濱中講のやぐら、第一印象は「でかっ!!!」。あれから17年経過しましたが未だに大きいなぁって思います。 |
● 濱中講 (はまなかこう・泉南市樽井地区) ・新調:明治19年 ・大工:不明 ・彫師:西岡弥三郎師 ・本幕:西陣 ・太鼓:坂東太鼓店 ・宮入:茅渟神社 ◎ 樽井のやぐらについて 樽井は樽井地区でやぐらをもっていず「講」組織で成り立った四講があります。また樽井の櫓には雄,雌があると言われており、獅子講が雄、宮元講が雌の上の櫓。戎福中講が雄、濱中講が雌で下の櫓とそれぞれ一対になると言われている。 ◎ 濱中講の由来 濱中講は文化6年/1809年に新開沼田西側開拓のために成立した講である。 ◎ やぐらの歴史 文政2年/1819年の矢倉諸記録によれば以前、先代やぐらがあっと記されている。その先代やぐらは明治期新調時に焼却処分された。 ◎ 現在のやぐら 明治19年に大工:不明、彫師:西岡弥三郎師によって新調。やぐらの寸法は長さ11.30m、幅2.90m、高さ4.64m。提灯は正面に「濱」と「中」、屋根周りには「濱中」。 ◎ 彫物図柄解説 【大屋根廻り】 ・鬼板 − 獅噛み ・箱棟 − 雲海 ・懸魚 − 正面:鷲の猿掴み、 後面:松に鷹 ・飛檐垂木 − 巴紋 ・地垂木 − 巴紋 ・車板 − 正面:波間に龍、 後面:阿吽の唐獅子 ・小屋虹梁 − 正面:竹に虎、 後面:牡丹 ・枡組 − 龍,唐獅子 【三手先五段】 ・枡合 − 正面:仲由,孟宗,王褒、 右:楊香,癒黔婁,王祥、 左:丁蘭,郭巨,タン子、 後面:姜詩,蔡順,漢文帝 【二十四孝】 ・木鼻 − 上段:コブシ ・虹梁 − 上段:雲海 ・欄間 − 正面:玄徳 南璋で奇童問える、 右:趙雲数百騎を率いて玄徳を尋ぬ、 左:玄徳陛下 孔明が午睡の覚るを待つ、 後面:黄承彦臥竜岡に梁父の吟をなす 【三國志】 ・木鼻 − 下段:獅子 ・虹梁 − 下段正面:手鞠を曳く唐獅子、 右:阿吽の唐獅子、 左:阿吽の唐獅子、 後面:飛龍 ・柱巻 − 右:昇龍、 左:昇龍 ・小脇板 − 右:関興、 左:張苞 【三國志】 ・御簾 − 日輪に阿龍と吽龍 ・幕板 − 右:関羽 旧情をせまられ曹操を放す、 左:張飛 玄徳に幅て曹操が陣で横行を、 後面:玄徳天に祈念して巌を斫る 【三國志】 ・脇障子 − 右:許楮、 左:馬超 【三國志】 ・脇障子物見 − 飛龍 【腰廻り】 ・勾欄合 − 正面右:鯛,鮃、 正面左:鮹,茅渟、 右:目近魚,鱸,貝割,糸撚鯛、 左:鯵,甘鯛,鰤,鱧 【海の幸揃い踏み】 ・縁葛 − 伊勢込み 【小屋根廻り】 ・鬼板 − 獅噛み ・箱棟 − 雲海 ・懸魚 − 鳳凰 ・飛檐垂木 − 巴紋 ・地垂木 − 巴紋 ・枡組 − 唐獅子 【一手先一段】 ・枡合 − 牡丹 ・木鼻 − 獅子 ・虹梁 − 右:唐子と犬、 左:獅子舞遊び 【唐子遊び】 ・欄間 − 阿吽の雲龍 ・太鼓廻り − 若葉 ・勾欄合 − 波間に千鳥 【本幕】 ・本幕 − 正面:静海波に千鳥と濱中の文字、 右:静海波に千鳥、 左:静海波に千鳥 ◎ 曳行パターン ・パレード:ところ曳き、泉南市パレード ・宵宮:ところ曳き、三井住友銀行前まっせー ・本宮:ところ曳き、茅渟神社へ宮入、三井住友銀行前まっせー ◎ 濱中講の略年表 ・明治19年−現在のやぐらを新調。 ・昭和56年−西陣にて本幕を新調。 ・昭和58年−駒を新調。 ・平成8年9月−植山工務店にて大修復、入魂式を実施。 ・平成16年8月29日−植山工務店にて大修復、入魂式を実施。 ・平成18年6月5日−駒を新調。 |
… 平成16年8月29日 − やぐらを大修復、入魂式を実施。 平成18年6月5日 − 駒を新調。 |