- 地車紹介 feat. 岬連中 -
- 2022/7/3 -






岬町・泉佐野市・田尻町のやぐらの紹介文を【推敲】し改めて御紹介する「地車紹介」、今回は岬連中のやぐらを御紹介します。岬連中の歴史は意外と新しく平成15年よりやぐら曳行を開始しました。私も真冬で寒い中、入魂式に足を運んだ記憶が蘇ってきました。







岬連中 (みさきれんちゅう・岬町淡輪地区)
 ・新調:明治26年 (平成20年9月27日陸宮本より譲受御清め式)
 ・大工:不明
 ・彫師:西岡一門(彫又)
 ・本幕:不明
 ・太鼓:不明
 ・宮入:船守神社



◎ 岬連中の歴史
岬連中の創建は昭和37年頃に子供神輿新調。平成14年まで使われ平成16年5月9日昇魂式を実施し同年6月中旬に東京都八王子市別所2のエミネンス長池南団地へ譲渡。また昭和59年〜60年に太鼓台(四輪の軽トラックベースの山車)を新調するが平成15年4月19日に昇魂式を実施し同年10月4日に愛媛県西条市のお寺に譲渡。やぐらの歴史は平成15年に先代岡田参号(岡田北組)のやぐらを譲受したのが始まりである。

◎ やぐらの歴史
先代やぐらは大正5年に先代・石田宮本のやぐらとして大工:貴田虎次郎師、彫師:相野卯三郎師によって新調。昭和54年8月には大工:貴田福雄師,貴田吉松師によって大屋根組解体修理が行われる。平成2年1月14日日曜日に昇魂式後岡田参号(岡田北組)が購入するが平成16年の岡田北組やぐら新調に先立ち平成14年9月29日に昇魂式を実施し岬連中が譲受。平成15年1月12日日曜日に岬連中のやぐらとして入魂式が行われました。平成15年には本幕を新調。平成20年に先代・陸宮本のやぐらを譲受し先代・岡田参号のやぐらを「北組」、先代・陸宮本のやぐらを「南組」と称し二台体制とするが平成21年からは「南組」のやぐらを岬連中のやぐらとして曳行するのに伴い抜魂式を実施後、やぐら部屋へ納庫していたが平成27年に河合工務店へ搬出。

◎ 現在のやぐら
明治26年に岡田西出のやぐら(先代岡田西組)として大工:不明、彫刻:西岡一門(彫又)の手によって新調されたやぐらで、大正5年に陸宮本が購入。平成20年4月20日日曜日に里外神社にて昇魂式を実施後、5月18日日曜日に岬連中へ搬入。9月27日土曜日にやぐら部屋前にて御清め式を実施。先代・陸宮本のやぐらを「南組」、先代・岡田参号のやぐらを「北組」と称し二台体制とするが、平成21年からは「南組」のやぐらを岬連中のやぐらとして曳行開始。提灯は正面に「御神燈」、屋根周りには白地に赤文字で「岬」と「船守神社御神紋」。

◎ 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 雲海
・懸魚 − 正面:鳳凰、 後面:雲海
・車板 − 正面:鉄拐仙人、 後面:雲に鶴
・小屋虹梁 − 雲海
・虹梁 − 雲海
・欄間 − 正面:?、 右:轟天雷 凌振、 左:智田星 呉用 【水滸伝】
・長押 − 正面:松に鶴、 平:牡丹に山鵲
・柱巻 − 右:昇り龍、 左:降り龍
・小脇板 − 右:大刀 関勝、 左:豹子頭 林冲 【水滸伝】
・幕板 − 右:賽仁貴 郭盛、 左:燕青 智をもってフ天柱を撲つ 【水滸伝】
・犬勾欄 − 正面:波間に千鳥、 右:波間に兎、 左:波間に兎
・擬宝珠勾欄 − 上段勾欄合:富士八景、 束:力神、 下段勾欄合:波間に千鳥、 束:力神
・縁葛 − 波間に千鳥
【小屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 雲海
・懸魚 − 松に鷲
・車板 − 豊干仙人
・小屋虹梁 − 雲海
・枡合 − 後正面:?、 右:?、 左:? 【水滸伝】
・虹梁 − 雲海
・欄間 − 右:?、 左:? 【水滸伝】
・長押 − 牡丹に山鵲
・太鼓廻り − ?
・幕板 − 右:行者武松 景陽岡に虎を殺す、 左:黒旋風李達 江州白龍神の廟門を撃ち毀す 【水滸伝】
・板勾欄 − 右:?、 左:?
【本幕】
・本幕 − 正面:「岬」の文字、 右:船守神社御神紋、 左:船守神社御神紋

◎ 曳行パターン
・宵宮:ところ曳き
・本宮:ところ曳き、淡輪漁港、船守神社へ宮入

◎ 岬連中の略年表
・明治26年 − 当代やぐら、岡田西出のやぐら(先代・岡田西組)として新調。
・大正5年 − 当代やぐら、岡田西出から陸宮本が購入。
・平成2年1月14日 − 先代・石田宮本(先代やぐら)の昇魂式を実施。
・平成14年9月29日 − 先代・岡田参号(先代やぐら)の昇魂式を実施。
・平成15年1月12日 − 先代やぐらの入魂式を実施。
・平成19年7月22日 − 先代やぐらの駒を新調、御祓いを実施。
・平成20年4月20日 − 先代・陸宮本のやぐら(当代やぐら)、里外神社にて昇魂式を実施。
・平成20年5月18日 − 先代・陸宮本のやぐら(当代やぐら)、岬連中へ搬入。
・平成20年9月27日 − 「南組」(当代やぐら)の御清め式を実施、先代やぐらを「北組」と呼称変更。
・平成21年10月 − 北組のやぐら、抜魂式を実施。
・平成21年10月14日 − 南組のやぐら、岬連中として曳行開始。
・平成27年8月2日 − 先代やぐらを搬出。




平成2年1月14日 − 先代・石田宮本(先代やぐら)の昇魂式を実施。



平成14年9月29日 − 先代・岡田参号(先代やぐら)の昇魂式を実施。



平成15年1月12日 − 先代やぐらを譲受、入魂式を実施。



平成19年7月22日 − 先代やぐらの駒を新調、御祓いを実施。



平成20年4月20日 − 先代・陸宮本のやぐら、昇魂式を実施。



平成20年5月18日 − 先代・陸宮本のやぐら、岬連中へ搬入。



平成20年9月27日 − 「南組」(当代やぐら)の御清め式を実施。



平成21年10月 − 先代やぐらの抜魂式を実施、やぐら部屋へ納庫。



平成21年10月14日 − 南組のやぐら、岬連中として曳行開始。



平成27年8月2日 − 先代やぐらを搬出。