- 地車紹介 feat. 岡本 -
- 2022/8/14 -
岬町・泉佐野市・田尻町のやぐらの紹介文を【推敲】し改めて御紹介する「地車紹介」、今回は岡本のやぐらを御紹介します。岡本のやぐらと言えば先代・尾崎宮本町のやぐら、気が付けば17年間もの長い間、全く拝見していない事に気付きました。 |
● 岡本 (おかもと・泉佐野市) ・新調:昭和11年 (平成5年尾崎宮本町より譲受) ・大工:辻幾次郎師 ・彫師:開生a師,宮沢巌師 ・本幕:不明 ・太鼓:太鼓正 ・宮入:船岡神社 ◎ やぐらの歴史 先々代のやぐらは阪南市福島から購入、昭和40年頃に廃絶ししばらくやぐらはありませんでしたが、昭和47年に子供会役員によって子供だんじりが製作される。先代のやぐらは昭和3年頃に泉南市新家の宮によって新調したやぐらを昭和58年に購入、同やぐらを大修復し18年ぶりに復活する。 ◎ 現在のやぐら 昭和11年頃に大工:辻幾次郎師、彫師:開生a師,宮沢巌師によって尾崎宮本町のやぐらとして新調。平成5年に尾崎宮本町より譲受。提灯は白地に赤文字で「岡本」。 ◎ 彫物図柄解説 【大屋根廻り】 ・鬼板 − 獅噛み ・懸魚 − 正面:鳳凰、 後面:雲に鶴 ・飛檐垂木 − 菊紋 ・地垂木 − 獅子 ・車板 − 正面:飛龍、 後面:雲龍 ・小屋虹梁 − 雲海 ・枡組 − 三手先七段:龍,獅子 ・枡合 − 正面:飛龍、 右:飛龍、 左:飛龍、 後面:雲海 ・虹梁 − 菊 ・欄間 − 正面:源平盛衰記、 右:倶利伽羅峠の戦い、 左:安徳帝を背に落ち延びる 平国盛 ・長押 − 雲海 ・柱巻 − 右:昇り龍、 左:降り龍 ・小脇板 − 右:翁、 左:媼 【高砂】 ・幕板 − 右:侍賢門の戦い 義平重盛を追う 【源平盛衰記】、 左:秀吉本陣 佐久間の乱入 【太閤記】 ・脇障子 − 右:吽形の唐獅子、 左:阿形の唐獅子 【腰廻り】 ・犬勾欄 − 阿吽の唐獅子 ・擬宝珠勾欄 − 勾欄合:波濤、 束:力神 ・板勾欄 − 正面:?、 右:?、 左:粟津合戦 勇婦巴御前 【源平盛衰記】 ・縁葛 − 波に千鳥 【小屋根廻り】 ・鬼板 − 獅噛み ・懸魚 − 雲に鶴 ・飛檐垂木 − 菊紋 ・地垂木 − 獅子 ・車板 − 雲龍 ・小屋虹梁 − 雲海 ・枡組 − 三手先六段:龍,獅子 ・枡合 − 後正面:?、 右:?、 左:? ・虹梁 − 菊 ・欄間 − 右:鎮西八郎為朝の剛弓、 左:頼朝の朽木隠れ 【源平盛衰記】 ・長押 − 雲海 ・太鼓廻り − 雲海 ・幕板 − 右:素盞鳴尊 八岐大蛇退治 【神話伝説】、 左:加藤清正 虎退治 【太閤記】 ・擬宝珠勾欄 − 右:波濤、 左:波濤 ・縁葛 − 右:波に鯉、 左:波に鯉 【本幕】 ・本幕 − 正面:船岡神社御神紋に「岡本」の文字、 右:加藤清正 虎退治、 左:竹に虎 ◎ 曳行パターン ・宵宮:ところ曳き ・本宮:ところ曳き、船岡神社へ宮入 ◎ 岡本の略年表 ・昭和3年頃−先代やぐら、泉南市新家の宮のやぐらとして新調。 ・昭和11年−現在のやぐら、尾崎宮本町のやぐらとして新調。 ・昭和40年頃−先々代のやぐらが廃絶。 ・昭和47年−岡本子供会役員によって子供だんじりを製作。 ・昭和58年−泉南市新家の宮より先代のやぐらを譲受。 ・平成5年−尾崎宮本町よりやぐらを譲受。 ・平成12年9月10日−やぐらを大修理、入魂式を実施。 |
… 平成4年10月10日 − 尾崎宮本町として、最後の曳行です。 |