- 地車研究 feat. 淡輪地区の祭禮 -
- 2013/3/24 -






先日、管理人の母校であるK大学の後輩が著したやぐらに関する論文を拝読しました。非常に面白い論文で興味深く拝読したのですがその中に、淡輪地区の祭禮に関する記述がありました。よくよく考えれば淡輪地区の祭禮に関しては未知の部分が多数あり、例えば何故祭禮日がいまだに10月14日,15日に固定されているのか? 帳元って何する役目? 等々の疑問があったのですが、この論文で不明な点がたくさん解決されました。

そこで今回、新たに「地車研究 インテリジェンスシリーズ(intelligence series)」と題して淡輪地区の祭禮を研究してみようと思います。なお間違えてる箇所等あれば御指摘頂ければ幸いに存じます。



淡輪地区の祭禮

◎ 祭禮日
宵宮−10月14日、本宮−10月15日(固定・10月15日が船守神社の創建日のために本宮が同日に固定されている)


◎ 曳行やぐら
大東連中、大西連中、堂組連中、淡輪連中、岬連中(当サイト内「各地区やぐらの紹介」参照)


◎ 宮入神社
船守神社(御祭神 − 紀船守公,紀小弓宿禰公,五十瓊敷入彦命)


◎ 宵宮の曳行パターン
・朝 − 切り出した竹をやぐらに飾り付ける。
・船守神社にて曳行の安全祈願。同時に、各総若頭が宮入順のくじ引きを行う。
・日中 − 各地域をところ曳きする。
・18時頃 − 淡輪駅前に三町が集合。
・19時頃 − 三町揃って淡輪駅前を出発。
・20時から21時頃 − 船守神社へ宮入。
・23時頃 − 宮入終了。


◎ 本宮の曳行パターン
・午前中 − 神輿の渡御に参加。(下記「神輿渡御の詳細」参照)
・日中 − 各地域をところ曳きする。
・午後−淡輪連中・岬連中が船守神社へ宮入。
・18時頃 − 淡輪駅前に三町が集合。
・19時頃 − 三町揃って淡輪駅前を出発。
・20時から21時頃 − 船守神社へ宮入。
・23時頃 − 宮入終了。


◎ 神輿渡御の詳細
・船守神社を出発し、番川沿いに淡輪漁港に向かう。
・漁港に到着後、鏡開きと餅撒きが行われる。
・漁港から淡輪ヨットハーバーまで船渡御。なお、船渡御は五連中からそれぞれ5名程度+「船渡御連中」らが担当する。
・ヨットハーバーに到着後、400m程移動し御旅所へ向かう。
・御旅所に到着すると、神輿を神輿台に乗せて祈祷が行われる。


◎ 淡輪地区の祭禮組織
・帳元 − 最高責任者。「曳行をただ見守っている」といった様子で座っている。二年交代制で、再登板もある。(60歳代)
・総取締 − 帳元の側近。帳元の意思を察して指示を出す。(40歳代後半)
・取締 − 段取り方であるが、やぐらに直接関わることはない。主に道路使用許可申請などの裏方を担当する。(40歳代前半)
・総若頭 − 段取り方。主に若頭の指示をする。また、宮入順のくじを引く。(30歳代)
・若頭 − 段取り方。現在は少子化により空席。(20歳代)
・若衆 − 夜の宮入に参加できる曳き手。(13歳から20歳)
・小若 − 小学生までの曳き手。日中のみ参加できる。(13歳まで)


◎ 写真で見る曳行パターン

▲ 宵宮・船守神社へ五連中が集まる。



▲ 宵宮・淡輪駅前に三連中が集まる。



▲ 宵宮・三連中が船守神社へ宮入。



▲ 本宮・淡輪漁港へ五連中が集まる。



▲ 本宮・御稚児さん。



▲ 本宮・神輿渡御。



▲ 本宮・船渡御。



▲ 本宮・御旅所にて祈祷。



▲ 本宮・淡輪連中,岬連中が船守神社へ宮入。



▲ 本宮・三連中が船守神社へ宮入。



「地車研究 インテリジェンスシリーズ」いかがだったでしょうか? 祭禮組織なんて内部の人間しか解らない部分で非常に参考になりました。次は樽井地区や信達地区の祭禮を御紹介したく思います。 m(__)m