えびすふくなかこう
戎福中講
(泉南市・樽井地区)



文化・文政時代/1804年-1830年から元治元年/1864年の間に新調





戎福中講 (えびすふくなかこう・泉南市樽井地区)
 ・新調:文化・文政時代/1804年-1830年から元治元年/1864年の間
 ・大工:不明
 ・彫師:彫又一門
 ・本幕:梶内だんじり
 ・太鼓:不明
 ・宮入:茅渟神社



● 樽井のやぐらについて
樽井は樽井地区でやぐらをもっていず「講」組織で成り立った四講があります。また樽井の櫓には雄,雌があると言われており、獅子講が雄、宮元講が雌の上の櫓。戎福中講が雄、濱中講が雌で下の櫓とそれぞれ一対になると言われている。

● 戎福中講の由来
講戎と若戎が元治元年/1864年以前に合併して成立した講である。

● 現在のやぐら
文化・文政時代/1804年-1830年から元治元年/1864年の間に新調、大工,彫師ともに不明であるが彫師は彫り口等から彫又と推測される。平成19年には大工:味園建設、彫師:木下彫刻工芸によって"平成の大改修"を実施、同年9月29日土曜日に茅渟神社にて入魂式を実施しました。戎福中講のやぐらには、樽井の戎さんと呼ばれた山之井神社(現茅渟神社内)の名残から随所に七福神・恵比寿様の彫物がある。やぐらの寸法は長さ9.98m、幅3.00m、高さ4.90m。提灯は正面に「戎」、屋根周りには「戎福中」。

● 彫物図柄解説
【大屋根廻り】
・鬼板 − 獅噛み
・箱棟 − 雲海
・拝懸魚 − 正面:松に鷹、 後面:鳳凰
・隣懸魚 − 正面:梅に山鵲
・飛檐垂木 − 梅鉢紋
・地垂木 − 唐獅子
・車板 − 正面:阿吽の唐獅子、 後面:阿吽の唐獅子
・小屋虹梁 − 雲海
・枡組 − 三手先七段:龍,唐獅子,獏,牡丹
・枡合 − 正面:飛龍、 右:虎、 左:虎、 後面:飛龍
・木鼻 − 上段:コブシ
・虹梁 − 上段:若葉
・欄間 − 正面:恵比寿天、 右:弁財天,毘沙門天、 左:布袋和尚,福禄寿 【七福神】
・木鼻 − 下段正面:獏、 右:獅子、 左:獅子、 後面:獅子
・虹梁 − 下段:若葉
・柱巻 − 右:昇龍、 左:降龍
・小脇板 − 右:劉邦を狙う項荘、 左:項荘を防ぐ項伯 【漢楚軍談】
・御簾 − 日輪に宝珠を掴む阿吽の龍
・幕板 − 右:月夜に駆ける韓信、 左:蒼海公の勇姿、 後面:張良 劍を賣りて韓信を説く 【漢楚軍談】
・脇障子 − 右:黄石公 張良に太公望の兵書を授ける、 左:張良 龍神より黄石公の沓を取り戻す 【漢楚軍談】
・脇障子物見 − 右:吽形の唐獅子、 左:阿形の唐獅子
・竹の節 − 右:若戎,樊膾,韓信,劉邦の文字、 左:講戎,項羽,項荘,項伯の文字 【燭台にやぐら紋】
・兜桁 − 「戎」の文字
【腰廻り】
・犬勾欄 − 正面:波濤、 右:牡丹、 左:牡丹
・擬宝珠 − 蓮
・擬宝珠勾欄 − 勾欄合:波濤、 束:力神
・縁葛 − 正面:宝珠を掴む青龍、 右:波間に阿龍、 左:波間に吽龍
【小屋根廻り】
・飾目 − 牡丹に唐獅子
・箱棟 − 雲海
・懸魚 − 波濤に恵比寿天
・車板 − 劉邦 芒蕩山に白蛇を斬る 【漢楚軍談】
・小屋虹梁 − 雲海
・飛檐垂木 − 梅鉢紋
・地垂木 − 唐獅子
・枡組 − 二手先三段:龍頭,唐獅子,獏
・枡合 − 正面:鳳凰、 右:唐獅子、 左:唐獅子
・虹梁 − 若葉
・欄間 − 右:寿老人、 左:大黒天
・長押 − 右:牡丹に鳳凰、 左:楓に鳳凰
・太鼓廻り − 牡丹に鳳凰
・幕板 − 右:項羽 重さ五千斤の鼎を持ち上げる、 左:樊膾 鐵門を破る 【漢楚軍談】
・擬宝珠 − 蓮
・擬宝珠勾欄 − 勾欄合:波間に千鳥、 束:力神
・縁葛 − 右:波間に吽龍、 左:波間に阿龍
【本幕】
・本幕 − 正面:銀綱に戎の文字、 右:無地紅、 左:無地紅

● 曳行パターン
・パレード:ところ曳き、泉南市パレード
・宵宮:ところ曳き、三井住友銀行前まっせー
・本宮:ところ曳き、茅渟神社へ宮入、三井住友銀行前まっせー

● 戎福中講の略年表
・文化・文政時代/1804年-1830年から元治元年/1864年の間に新調
・昭和61年9月 − 大下工務店によって"昭和の大修復"を実施。彫物以外を新調。
・平成7年 − 締め直し。
・平成18年9月3日 − 駒を新調、入魂式を実施。
・平成19年2月11日 − 抜魂式を実施。
・平成19年9月29日 − 味園建設によって"平成の大修復"を実施、入魂式を実施。
・平成21年4月26日 − 台場を新調、御祓いを実施。
・令和2年−新型コロナウイルス感染症対策として曳行自粛。
・令和3年−新型コロナウイルス感染症対策として曳行自粛。




平成18年9月3日 − 駒を新調、入魂式を実施。


平成19年2月11日 − 抜魂式を実施。


平成19年9月29日 − やぐらを大修復、入魂式を実施。


平成21年4月26日 − 台場を新調、御祓いを実施。


やぐら小屋


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