● やぐら、よもやま話・第13話

家紋について。

情報提供者:Gさん
更新:平成16年6月9日水曜日

第3回目を追加:平成16年6月14日月曜日

 家紋考 第1回目 左三つ巴 ヒダリミツドモエ(貝掛)
皆様、見たことないですか?阪南市内でも古い民家の屋根瓦(角)などに使われていますね。
水が渦を巻いている形を表しており、火災予防の意味で屋根に使われております。
巴紋は、もともと神社系の人がよく使う神紋(神社が使う紋)でこの巴紋は八幡宮の神文です。
神紋の中では、八幡宮(巴紋)は、稲荷神社(稲荷紋)につづいてポピュラーな神紋です。
貝掛の指出森神社は、応神天皇を祭っている八幡宮なので、この紋になります。
ちなみにこの紋は、結構歴史的有名人「家紋」として使っております。中でも有名?みんな知っているであろう人は、忠臣蔵の大石氏(右二つ巴)土方歳三(丸に三つ巴)などでほかにもたくさん巴紋を使用している豪族、武将などがいますねぇ。
巴の形が、神器、勾玉の形に似ていることから神聖なものとして、武器やその他の物に多く使われるようになり全国に「家紋」として広まったのであります。



 家紋考 第2回目 九枚笹 キュウマイササ(波太神社)
9枚の笹の絵があしらわれた紋です。←そのまんま
阪南市のやぐらの法被では、一番この紋を使われてる町が多いと思います。(間違ってたらゴメン)
理由については言うまでもなく波太神社の神紋でございます。笹紋は、別名「竹笹紋」といわれ
松・竹・梅といわれますようにめでたい物の象徴として知られております。
また、竹は非常に強く、厳しい雪にも耐えることから、強く美しいものとして大昔から庶民に慕われておりました。余談ですが、100年に一度花を咲かし枯れていくなんてことも言われています、竹の花なんて見たことないけど・・・ほんまかいなぁ?
やぐらの音頭の中に、「竹に雀はしなよくとまる」という歌詞がありますが、
竹笹紋の中には、雀の絵柄を足した家紋が非常にたくさんあります。中でも有名なのが、
「竹に飛び雀」で、戦国武将上杉謙信(上杉氏)が使っていたものであります。
以上のことから、「竹に雀はしなよくとまる」という歌詞は、非常に的を得た歌詞になるのです。
(ただ単に竹に雀がよく止まっているだけではなかったのです)
先にも書いたように、厳しい雪でも耐えることから東北地方に多い紋であります。



 家紋考 第3回目 丸に右離れ立ち葵 タチアオイ(箱作西)
家紋考 第3回目 丸に右離れ立ち葵(箱作西)
正式名「丸に右離れ立ち葵」は長いので「立ち葵」でOKです。
この紋よーーく見てみると             どうです?
ブロッコリー?                  違います!
木の幹の部分が割れてるんですね、「立ち葵」の紋は、何種類かありますがすべて割れてます。
(昔、箱作西のやぐらの幕を作ったとき「立ち葵」の刺繍が割れてなかったという事件がありました)
やぐら紹介のページにもありますように、葵紋は京都の賀茂神社の神紋(双葉葵)であります。もちろん箱作の賀茂神社も同じ葵紋(立ち葵)になります。
無理やり祭りでつなげると、京都3大祭りの中に賀茂神社の「葵祭り」がありますね。
葵紋でやはり思い出すのは、徳川家の「三つ葉葵」別名(徳川紋)が思い出されますが、
その本流は、やはり賀茂神社の神紋「双葉葵」につながります。
順番で行くと、賀茂神社(双葉葵とは、賀茂神社の神草)→本多家(先祖が賀茂神社の社職)→松平家となります。室町時代から多く使用された紋です。
ここである時代劇で疑問、そうあの浮世離れした不良老人がボディーガード2人連れまわし自分の物差しで悪を退治する番組です。    肛門?
「この紋所が目にはいらぬかゎ!!」とくれば
「ヘっ ヘヘーーー」とみんなひれ伏す。
でも、おかしくない?昔から葵の紋なんてたくさん使われてたし、なんで?
一人ぐらい「うるせーじじい!家も同じ葵紋だ! やっちまえ!」ってなぐあいになるはずです。
実は、江戸時代、徳川一族以外葵紋の使用を禁止しました、ですからあんなに効果があるんですね。





家紋には、定紋(一家の紋、男紋とも言える)替え紋(複数の紋から定紋を除いたもの)
、裏紋(自作・自分の好みで勝手に作った紋)などで対外的な用法に合わせて複数の種類に分けられます。
(紋の呼び方はほかにもたくさんありますがとりあえずこの3種で・・・かんべん)
普通は一家に一紋?なのですが、昔の大名家の家柄などは、何種類か家紋を使用しており
用法にあわせて使い分けていたのであります。皆さんのお家にある紋は、定紋で間違いないでしょう。
その種類の中に、「女紋」といわれる女性だけが使う紋というものもあります。
「女紋」の定義というものは、勉強不足で覚えてないのですが、確か男紋が一寸(38mm???)で女紋が五分五厘(21mm???)で、女紋のほうが小さく丸みを帯びたものが多いようです。
代表的な絵柄はのが、「五三桐」「蔦」「揚羽蝶」など花や植物
大体の結婚式場には、五三桐の紋は、必ず用意されていますね。

そ・こ・で

以前、やぐらに雄・雌があるとの議論?があったように思うのですが、
すべての地区の紋がわからないのでなんともいえないのですが、
箱作3地区 買掛・東・西この3つに絞りますと、
買掛・「左三つ巴」男紋(定紋)
東・「丸に梅鉢」女紋
西・「丸に立葵」男紋(定紋)
となります・・・・・・
しかしながらすべての地区が独自の紋を持っているわけでもなさそうなので
雄・雌の違いは、紋によって決まる??????

というGの安易な考えは梅雨の空に消えていくのでありました。         南無

注意)家紋についてはあまりにも多くの解釈や説があります。(本当に奥深すぎるんです)
ですので、ここに書いてあることが絶対!ってことは、まずありません。
それぞれの御家の中でも解釈は変わってきますし、もし自分が思っている家紋の知識・解釈が
私の書いてあることと違っていれば、ご自分の知っているほうを信じてください。
それは、代々家に伝わっている大事な「伝統」ですから。