- 地車研究 feat. まっせーの種類 -
- 2009/6/28 -






「地車研究」アカデミックシリーズ第2弾! 前回の「やぐらの種類」に続いて今日は「まっせーの種類」を御紹介しようと思います。

そもそも祇園祭・山鉾の「辻廻し」、だんじり祭の「やり廻し」の様に、祭りの山車(ダシ)を曲がらせる事に美徳を感じてます。やぐらでも同様で、一番盛り上がる時に「まっせー」をします。ただこのまっせー、阪南市関係者にとっては例えば波太神社馬場先の様な広場を複数台のやぐらで曳き合わすのをまっせーと思いがちですが、樽井地区の銀行前(三井住友銀行泉南支店前)まっせーの様な曳き方もまっせーと呼ばれてます。ではこのまっせー、どう違うのかちょっと研究してみようと思います。

管理人が考えたまっせーは前述の通り主に2種類あるかと思います。ココで管理人は勝手に「円まっせー」「点まっせー」と銘々しました。「円まっせー」とは波太神社馬場先の様なまっせー。複数台のやぐらで一緒に曳けるメリットがあります。一方、「点まっせー」とは銀行前まっせーの様な、一方の駒を中心に置いたコンパスの様なまっせー。一台のやぐらにスポットライトを浴びさせるメリットがあります。下記におおよそのイラストを描いてみました。




▲ 円まっせー


▲ 点まっせー



では、泉州地域全52台を「円まっせ」「点まっせ」それぞれに分別してみました。




円まっせー(全25台)
阪南市20台,岡中,男里北組,男里南組,幡代,馬場

点まっせー(全22台)
市場,大苗代,牧野,鳴瀧,岡田西組,岡田中組,岡田北組,陸宮本,北野,獅子講,宮元講,戎福中講,濱中講,金熊寺,大東組,大西組,堂組,淡輪連中,岬連中北組,岬連中南組,深日一号,深日二号

不明(全5台)
童子畑,小島,岡本,樫井東,吉見



不明の5台に関しては、管理人が見た事が無いだけで、実際はドチラかに該当するかと思います。こうやって見てみると、前回の地車研究 feat. やぐらの種類で分別した阪南型(標準型)のほとんどが「円まっせー」で他の西信達型,信達型,樽井型と一部の阪南型(標準型)が「点まっせー」と分別できるかと思います。

で、管理人が勝手に結論付けたのが、阪南型(標準型)は「走りやぐら」と呼んでも過言ではないかと思います。走る事を美徳とし、複数台で広場を走る。この名残から「円まっせー」が出来たのではないかと…。一方、阪南型(標準型)以外はあまり走らない「練りやぐら」、ソコから「点まっせー」が出来たと憶測できます。これまた管理人の勝手な憶測ですが、そもそもは「点まっせー」から始まり、時代の流れとともに「円まっせー」が派生したんじゃないかと…。管理人の実体験ですが、昨年の自町前夜祭。4,5人程度でやぐらを「円まっせー」しようと試みましたがダメで、「点まっせー」になってしまいました。故に少人数で走らない場所では「点まっせー」になってしまうのです。ソコからいかに勢いを見せるか? 試行錯誤した結果、「円まっせー」が派生したと勝手に憶測します。

最後に「円まっせー」と「点まっせー」。管理人は「円まっせー」しか曳いた事がありませんが、数年前に銀行前で樽井地区の「点まっせー」を見学した際、「恐っ!」と思いました。無茶苦茶勢いある、迫力ある「点まっせー」なのです。まだ「点まっせー」をナマで見た事の無い貴方、是非とも今年は足を運んで下さい。とりあえず、今回も各タイプのやぐらの割合を、電卓たたいてみました。




・円まっせー − 25台(48.1%)
・点まっせー − 22台(42.3%)
・不明 − 5台(9.6%)